【プロローグ】
「僕は、人が好きだった。」
僕は、人が好きだった。
誰かと話すことが好きだった。
誰かと笑うことが好きだった。
放課後、くだらない話をしながら歩くことも。
休み時間に、いろんな人のところへ行って話しかけることも。
みんなでゲームをして、くだらないことで笑うことも。
全部好きだった。
だから僕には、決まった居場所がなかった。
教室ではこのグループ。
昼休みはあっち。
放課後はまた別の誰か。
それでもよかった。
むしろ、その方がよかった。
僕は、一人になることが嫌いだったから。
――この頃の僕は、まだ知らなかった。
人が好きだということが、いつか自分を苦しめることになるなんて。
