目覚めたら、最推しの腕の中でした~1度終わった私の人生、もう一度恋をしました。~

星に。

本当のことを話してから。

三日後。

私たちは。

とんでもなく。

気まずい食事会を。

開こうとしていた。

参加者。

私。

娘の星。

そして。

私の彼氏。

天城陽向。

「……」

私は。

個室のテーブルで。

一人。

頭を抱えていた。

情報だけ並べると。

本当に。

意味が分からない。

前の人生で。

娘と一緒に。

テレビで応援していた。

最推しアイドル。

その人が。

今。

私の彼氏。

そして。

今日。

娘に。

『ママの彼氏』として。

紹介する。

「……何この人生」

思わず。

呟く。

すると。

スマートフォンが震えた。

陽向。

『着いた』

続けて。

星。

『私も着いた』

「……二人同時」

嫌な予感しかしない。

私は。

二人へ。

同じメッセージを送った。

『個室だからそのまま来て』

数分後。

コンコン。

「はい」

ドアが。

ゆっくり開く。

最初に。

顔を出したのは。

星。

「……ママ」

「うん」

「緊張する」

「私も」

「帰っていい?」

「ダメ」

「だよね」

星が。

そろそろと。

部屋へ入ってくる。

その直後。

もう一度。

ノック。

「どうぞ」

今度は。

陽向。

帽子。

眼鏡。

マスク。

完全装備。

ドアを閉めてから。

全部外す。

「……お疲れ」

私が言う。

「お疲れ」

そして。

陽向が。

星を見る。

星も。

陽向を見る。

「……」

「……」

沈黙。

長い。

「えっと」

私が。

口を開く。

「二人とも」

「前に会ってるよね?」

「会ってる」

陽向。

「会ってます」

星。

「じゃあ」

私は。

無理やり笑う。

「今日は改めて」

一度。

息を吸う。

「娘の星です」

陽向が。

ものすごく。

真面目な顔になる。

「……はい」

「で」

私は。

今度は。

陽向を見る。

「彼氏の陽向です」

星が。

両手で。

顔を覆った。

「無理!」

「まだ何も始まってないよ!?」

「ママ!」

「何?」

「言葉にしないで!」

「何を?」

「彼氏の陽向ですって!」

陽向まで。

耳が。

真っ赤。

「俺もちょっと恥ずかしい」

「何で陽向まで!」

「だって」

陽向が。

星を指す。

「この子」

「俺のファンなんでしょ?」

星が。

勢いよく。

顔を上げる。

「はい!」

「返事だけ速い」

私が。

思わず言う。

「だって陽向くんに聞かれたから!」

「ママより返事いいじゃん」

「当たり前でしょ!」

「当たり前なんだ……」

すると。

陽向が。

急に。

胸を押さえた。

「待って」

「何?」

「俺」

ものすごく。

複雑そうな顔。

「彼女の娘から」

「陽向くんって呼ばれて」

「ファンですって言われて」

「でもその子の母親と付き合ってるんだよな?」

「そう」

「……情報量」

「多いでしょ?」

「多すぎ」

星も。

真顔で頷いた。

「私もです」

「星も?」

「推しが」

陽向を見る。

「ママの彼氏」

次に。

私を見る。

「しかもママは」

言葉を止める。

「……今、一ノ瀬紗良さんの見た目」

「うん」

「もう」

星が。

両手を広げる。

「意味分かんない!」

「私も!」

陽向が。

吹き出した。

「あはははっ!」

「笑わないでください!」

「ごめんごめん!」

でも。

陽向が笑ったことで。

少しだけ。

空気が。

柔らかくなった。

◇◇◇

「とりあえず」

私は。

メニューを開く。

「ご飯食べよ」

「賛成」

陽向が。

すぐに乗ってくる。

「星、何食べる?」

「……」

返事がない。

「星?」

見ると。

星は。

メニューではなく。

陽向を見ている。

「……本物」

「この前も言ってたよ」

「でも」

星が。

小声になる。

「今日は」

「?」

「ママの彼氏として」

陽向を見る。

「隣にいる……」

「……」

陽向が。

また。

顔を赤くする。

「星ちゃん」

「はい!」

「その」

咳払い。

「彼氏彼氏言うの」

「俺もまだ慣れてない」

「え?」

星が。

目を丸くする。

「陽向くんでも?」

「でもって何」

「だって」

少し。

照れながら。

「何でも余裕ありそうだから」

「ないない」

陽向が。

首を振る。

「美月相手だと」

「結構ない」

「ちょっと!」

私が。

止める。

星の視線が。

ゆっくり。

私に移る。

「……美月」

「あ」

陽向が。

口を押さえる。

遅い。

星は。

じっと。

陽向を見る。

「ママのこと」

「美月って呼んでるんですね」

「……はい」

なぜか。

陽向。

敬語。

「いつから?」

「星」

「何?」

「尋問しないで」

「だって気になる!」

陽向が。

少し笑う。

「最初は紗良って呼んでた」

「……」

星の表情が。

少し。

変わった。

「でも」

陽向は。

私を見る。

「今は」

「美月」

「……」

「俺が話してるのは」

「美月だから」

星が。

黙った。

私は。

少し。

恥ずかしくなる。

でも。

星の顔を見ると。

何か。

嬉しそうだった。

「……そっか」

小さな声。

「星?」

「ううん」

「何?」

「ちゃんと」

私を見る。

「ママのこと」

「ママとして」

「見てくれてるんだなって」

胸が。

温かくなる。

陽向は。

少し。

困ったように笑った。

「俺にとっては」

「高瀬美月だから」

「……」

「一ノ瀬紗良の身体でも」

「そこは」

「変わんない」

星の目に。

少しだけ。

涙が浮かんだ。

「ありがとう……ございます」

「え?」

「ママを」

星が。

少し笑う。

「見つけてくれて」

今度は。

陽向が。

何も言えなくなった。

私は。

胸が。

ぎゅっと。

締めつけられた。

見つけてくれた。

最初は。

信じてもらえなかった。

傷つけられたことも。

あった。

それでも。

最後には。

陽向は。

私を。

私として。

見つけてくれた。

「……俺のほうこそ」

陽向が。

少しだけ。

目を細める。

「美月のこと」

「いっぱい教えてくれて」

「ありがとう」

「私?」

「うん」

「星ちゃんが」

「昔の美月の話してくれるから」

私を見る。

「俺の知らない美月」

「知れる」

星が。

ぱっと。

顔を上げた。

「いっぱいあります!」

「星!」

嫌な予感。

「何?」

「何でも話さないでよ?」

「えー」

「何その反応」

陽向が。

すごく。

楽しそうに身を乗り出す。

「聞きたい」

「陽向!」

「昔の美月」

「聞きたい」

「聞かなくていい!」

「何で?」

「恥ずかしい!」

星が。

ニヤッとする。

「じゃあ」

「何?」

「ママが」

一度。

私を見る。

「陽向くんのライブ映像見ながら」

「ちょっと待って」

「『今日ビジュいい!』って」

「星!」

陽向が。

大笑いする。

「あはははっ!」

「やめて!」

「他にも」

「まだあるの!?」

「『この髪型好き』とか」

「星ー!」

「『今日めっちゃ可愛い』とか」

陽向が。

テーブルに。

突っ伏した。

肩が。

震えている。

「笑いすぎ!」

「いや」

顔を上げる。

ものすごく。

嬉しそう。

「嬉しい」

「……」

「昔から」

私を見る。

「そんな見てたんだ」

「……ファンだったから」

「俺の?」

「そうだよ!」

「今も?」

「……」

言葉に詰まる。

星が。

こちらを見る。

陽向も。

こちらを見る。

「……今は」

私は。

小さく息を吸った。

「ファンでもあるけど」

陽向を見る。

「それより」

顔が。

熱い。

「彼氏として」

「好き」

陽向が。

固まる。

星も。

固まる。

「……」

「……」

「……」

何この沈黙。

最初に。

爆発したのは。

星だった。

「ママぁぁぁ!」

「何!?」

「私の前で言わないで!」

「聞いたのそっちでしょ!」

「推しとママの恋愛!」

「処理できない!」

陽向は。

両手で。

顔を覆っている。

「陽向までどうしたの」

「いや」

手の隙間から。

「俺」

「美月に」

「彼氏として好きって」

「人前で言われたの初めて」

「……」

「めっちゃ嬉しい」

「もうやだ!」

私は。

頭を抱えた。

◇◇◇

食事が。

運ばれてくる。

陽向は。

肉料理。

私は。

パスタ。

星は。

オムライス。

「いただきます」

三人。

揃って。

手を合わせる。

その瞬間。

私は。

少しだけ。

昔を思い出した。

家族で。

食卓を囲んだ日。

星が。

まだ。

小さかった頃。

「いただきます」

と。

大きな声で言って。

食べていた。

今。

隣には。

陽向。

向かいには。

星。

昔とは。

全然違う。

それでも。

また。

娘と。

同じテーブルで。

ご飯を食べている。

涙が。

出そうになった。

「ママ?」

「ん?」

星が。

すぐ気づく。

「泣く?」

「泣かない」

「本当に?」

「……ちょっと泣くかも」

陽向が。

何も言わず。

ティッシュを。

差し出してくる。

「ありがとう」

「うん」

星が。

私を見る。

「何で?」

「だって」

私は。

少し笑う。

「また星と」

「ご飯食べてるなって」

「……」

「それだけで」

胸が。

いっぱいになる。

星も。

少し。

目を潤ませた。

「私も」

「……うん」

「ママと」

お箸を置く。

「またこうして」

「ご飯食べられると思わなかった」

「うん」

「ずっと」

声が。

少し震える。

「もう二度と」

「できないと思ってた」

私は。

テーブルの下。

そっと。

星の手に。

触れた。

星が。

握り返してくれる。

「……ごめ」

言いかけて。

止まる。

星を見る。

「寂しかったね」

星の顔が。

崩れた。

「……うん」

それだけ。

何度も。

頷く。

「すごく」

「うん」

「ママがいなくなってから」

「うん」

「家」

声が。

小さくなる。

「変わった」

胸が。

ざわつく。

私は。

無意識に。

陽向を見る。

陽向も。

黙って。

聞く姿勢になる。

「どう変わったの?」

私は。

優しく。

聞いた。

星は。

少し。

迷った。

「みんな」

「普通にしようとしてた」

「……うん」

「パパも」

「弟たちも」

「……」

「でも」

オムライスを。

見つめる。

「普通じゃないんだよね」

「うん」

「ママの場所」

「ずっと空いてるし」

胸が。

痛い。

「弟たちも」

「たまに」

「ママって言うし」

「……」

「一番小さい子なんて」

星が。

唇を噛む。

「まだ」

「ママのこと」

「ちゃんと覚えてるのかなって」

涙が。

一気に。

溢れそうになる。

「……」

私は。

何も言えない。

他の子どもたち。

ずっと。

考えていた。

会いたい。

星だけじゃない。

全員。

抱きしめたい。

でも。

星に。

真実を話すだけでも。

あれほど怖かった。

他の子たちには?

年齢も。

受け止め方も。

違う。

「ママ」

星が。

私を見る。

「会いたい?」

質問の意味は。

分かっている。

弟たちに。

会いたい?

答えなんて。

最初から。

決まっている。

「……会いたい」

声が。

震える。

「すごく」

「じゃあ」

星が。

言う。

「会おうよ」

「……」

「でも」

反射的に。

言葉が出る。

「混乱するかもしれない」

「うん」

「信じてもらえないかも」

「うん」

「それに」

「パパにも」

胸が。

重くなる。

夫。

前の人生の。

家族。

私は。

今。

陽向を好きになっている。

その事実も。

いつか。

向き合わなければならない。

星が。

真っ直ぐ。

私を見る。

「ママ」

「何?」

「また」

「?」

「みんなのためにって」

「一人で決めようとしてる」

「……」

息が。

止まった。

陽向が。

横で。

小さく。

笑った。

「さすが娘」

「陽向」

「いや」

笑う。

「俺も同じこと言おうとした」

私は。

二人を見る。

「……似てる」

「何が?」

「私に言うこと」

二人が。

顔を見合わせる。

「だって」

星が言う。

「会いたいんでしょ?」

「……うん」

「弟たちだって」

「ママに会いたいと思う」

「……」

「信じるかどうかは」

星が。

続ける。

「会ってから」

「みんなが決めればいいじゃん」

胸の奥。

何かが。

大きく揺れる。

――私が決めるんじゃない。

そうだ。

星のときも。

私は。

混乱させるからと。

勝手に。

黙ろうとしていた。

でも。

星には。

星の気持ちがあった。

他の子どもたちにも。

同じ。

「……怖い」

私は。

正直に言った。

星が。

頷く。

「うん」

陽向も。

頷く。

「怖いよな」

「でも」

私は。

手を握る。

「会いたい」

「うん」

星が。

少し笑う。

「じゃあ」

「一人ずつでも」

「考えよう」

「……うん」

「私も」

胸を張る。

「手伝うから」

涙が。

一滴。

落ちた。

「ありがとう」

今度は。

素直に。

言えた。

◇◇◇

食事が。

終わるころ。

星が。

突然。

陽向を見る。

「あの」

「ん?」

陽向が。

少し。

緊張する。

「陽向くん」

「はい」

また。

敬語。

「一個」

星が。

真剣な顔になる。

「聞いていいですか?」

「……どうぞ」

私は。

嫌な予感。

何を。

聞くの?

星は。

陽向を。

まっすぐ見た。

「ママの」

「うん」

「どこが好きなんですか?」

「星!?」

「聞きたい!」

「聞かなくていい!」

陽向の顔が。

一気に。

赤くなる。

「えっと」

「答えなくていいから!」

「ママ黙って」

「娘に黙ってって言われた!」

星は。

完全に。

真剣。

「だって」

「私」

少し。

唇を尖らせる。

「ママが」

「また傷つくの嫌だから」

「……」

空気が。

変わった。

星。

きっと。

前の人生の私を。

見ていた。

私が。

我慢していたことも。

全部じゃなくても。

何となく。

感じていたのかもしれない。

「ちゃんと」

星が。

陽向を見る。

「大事にしてくれる人なのかなって」

陽向の表情から。

照れが。

消えた。

「……うん」

静かに。

頷く。

「大事にしたい」

星が。

じっと見る。

陽向も。

逃げない。

「美月」

私を見る。

「すぐ」

「自分より」

「他の人優先するし」

「……」

「何かあったら」

「自分が悪いって思うし」

「うん」

「一人で」

「いなくなろうとしたこともある」

星が。

私を見る。

「ママ」

「……はい」

少し。

怒られている気分。

陽向が。

続ける。

「だから」

「俺が」

「全部守るとか」

「そういうことは」

「言いたくない」

「……」

星が。

少し。

目を丸くする。

「美月は」

陽向が。

私のほうを見る。

「自分で立てる人だから」

胸が。

鳴る。

「でも」

「隣にはいたい」

「……」

「美月が」

「大丈夫じゃないって言ったら」

「一緒に考えたい」

「嬉しいって言ったら」

「一緒に喜びたい」

「……」

「美月の子どもたちも」

「大切にしたい」

星の目が。

揺れる。

「俺が」

「父親になるとか」

「そんな勝手なことじゃなくて」

「……」

「美月にとって」

「大切な人だから」

「俺も」

「大切にしたい」

もう。

私は。

泣いていた。

「陽向……」

「あと」

「まだあるの?」

陽向が。

少し。

照れた顔に戻る。

「笑うと」

「めちゃくちゃ可愛い」

「もういい!」

星が。

吹き出した。

「あははっ!」

「星まで!」

「だって急に!」

陽向も。

笑う。

私だけ。

顔が。

真っ赤。

「二人とも嫌い」

「え!」

陽向が。

大げさに。

ショックを受ける。

「今のはダメ!」

「何が?」

「彼氏に嫌いはダメ!」

「冗談!」

「じゃあ好き?」

「星の前で聞かないで!」

「また始まった」

星が。

笑っている。

私は。

恥ずかしくて。

でも。

嬉しくて。

胸が。

いっぱいだった。

◇◇◇

帰り。

店の前。

星とは。

途中で別れる。

「ママ」

「うん」

「今日」

「楽しかった」

「私も」

「また」

少し。

照れながら。

「三人でご飯しようね」

「うん」

「陽向くんも」

陽向を見る。

「はい」

「何で敬語なんですか?」

「いや」

陽向が。

頭を掻く。

「彼女の娘」

「やっぱ緊張する」

「ふふっ」

星が。

笑う。

そして。

少し。

真面目な顔になる。

「陽向くん」

「ん?」

「ママ」

「よろしくお願いします」

「……」

私は。

息を止めた。

陽向も。

驚いた顔。

でも。

すぐに。

優しく笑う。

「うん」

「こちらこそ」

そして。

少し考えて。

「星ちゃんも」

「?」

「美月のこと」

「これからも」

「いっぱい教えて」

星が。

笑った。

「任せてください」

「余計なことは教えないで!」

二人とも。

笑った。

「じゃあね、ママ」

その呼び方。

まだ。

聞くたび。

胸が。

いっぱいになる。

「うん」

私は。

笑う。

「またね、星」

星が。

少し歩いて。

振り返る。

手を振る。

私も。

手を振った。

娘が。

見えなくなるまで。

◇◇◇

帰りの車。

陽向が。

ハンドルを握りながら。

言った。

「よかったな」

「うん」

私は。

窓の外を見る。

「すごく」

「……」

「夢みたい」

「うん」

「でも」

少し。

笑う。

「次は」

「他の子たち」

陽向が。

静かに。

頷いた。

「怖い?」

「……怖い」

「うん」

「でも」

私は。

胸に手を当てる。

「会いたい」

「そっか」

「それに」

「うん」

「星が言ってくれたから」

私は。

少し笑った。

「信じるかどうかは」

「子どもたちが決めればいいって」

「うん」

「私は」

「会いたいっていう気持ちまで」

「勝手に我慢しなくていいのかなって」

陽向が。

嬉しそうに笑う。

「美月」

「何?」

「めちゃくちゃ変わったな」

「そう?」

「うん」

「昔なら」

「会いたいけど迷惑だからやめとく」

「って言ってそう」

「……言うと思う」

「だろ?」

二人で。

笑う。

赤信号。

車が止まる。

陽向が。

私を見る。

「美月」

「何?」

「今日」

「星ちゃんに」

「よろしくお願いしますって」

「言われた」

「うん」

「……めっちゃ緊張した」

「そこ?」

「だって」

少し。

照れた顔。

「なんか」

「ちゃんと」

「美月の彼氏として」

「認めてもらったみたいで」

胸が。

温かくなる。

「嬉しかった?」

「めっちゃ」

「そっか」

「うん」

そして。

陽向が。

小さく。

笑う。

「頑張ろ」

「何を?」

「美月の彼氏」

「……」

「これからも」

私は。

その横顔を見る。

好き。

やっぱり。

何度でも。

そう思う。

「うん」

私は。

笑った。

「よろしくお願いします」

「またそれ?」

「ふふっ」

私の二度目の人生は。

少しずつ。

一度目の人生と。

繋がり始めていた。

失ったと思っていた。

母親としての時間。

新しく見つけた。

恋人としての時間。

どちらかを。

選ばなくてもいい。

両方。

私の人生。

そして。

次に。

私が会いたいと願ったのは。

星だけではない。

あの日。

置いてきてしまった。

私の。

大切な。

子どもたちだった。