とっても優しい幼馴染が塩対応になっちゃった

夏休みが明けて数日後の放課後。


あゆなが自分の席で教科書を片付けていると、背後からスッと巨大な影が近づいてきた。

「……あゆな」


「えっ?」

振り返った瞬間、ガシッと腕を掴まれ、あゆなはそのまま春樹の広い胸板に引き寄せられた。


周りにいたクラスメイトたちが、一斉に「「「きゃあああーーっ!?!」」」と黄色い声を上げる。

なんと、いつもはクールで塩対応を貫いているはずの春樹が、あゆなを後ろから抱きしめるようにして、その肩に顔をうずめているのだ。

「ちょ、ちょっと春樹くん!? みんな見てるってば……!」


「見られてんだよ、だからだよ……」

春樹はふっと小さく息を吐くと、あゆなの耳元に低い声で甘えたように囁いた。


「夏休み中ずっと、お前のその小っこい体に触れられなくてイライラしてたんだ。……もう、我慢しねえから」

その独占欲が全開の甘い言葉に、あゆなは顔が沸騰するように真っ赤になり、頭から湯気が出そうになる。


クラスの女子たちは「えっ、待って春樹くんが甘々なんだけど!?」「あゆなちゃんずるいー!」と大興奮。


祥平と舞も「おいおい、キャラ崩壊だぞ春樹!」とニヤニヤしながら冷やかしているが、当の春樹はあゆなを離す気配すらなかった。