ファミレスに行った後、乗り継いだ駅で別れる前、翔の提案で、ゲーセンに行く事になった。
近くにゲーセンがある駅を律が調べて、恋達は降車し、歩き出した。
ゲーセンはその駅の通りのすぐ傍にあった。
青とピンクの派手なネオンの看板、お洒落な格好をした若者達が数人、手前のクレーンゲームで遊んでいる。
「宗介、あれやろうや」
翔が指したのは、ボクシングのゲームだった。
ゲーム上で対戦できる様になっていて、本格的なグローブが2対、ゲーム画面の前に置いてある。
「嫌だ。恋が怖がる。」
宗介が即答した。
「怖い?。なんで?。」
「恋には僕が本気で殴ったり蹴ったりするのを見せたくないんだよね。恋は超ビビリだから。っていうか、綾瀬、向井と同じ年なんだから僕にさん付けしろよ。」
「やかまし、ええやん。ほな、ワイやるで。」
翔は鼻歌交じりで言った。
「ワイ運動神経超ええで。ほんでこのルックスやきに、女子にキャーキャー言われ通しやってん。迷惑。」
「ナルシストって言うか何て言うか。僕達は気持ちは分かるっちゃ分かるけど。」
「ええやんこれ。この手袋、かっこええで。宗介がやらんきに、誰かやらん?」
「僕はやらない。そのゲームやった事あるけど。新田さんが怖がるの知ってる。」
「僕は殴り合いみたいなゲームは弱いんですよ。運動神経は良いけど、力があんまりないんで。やりませんよ。」
「しょうもな。ほなワイ一人でやんで。」
翔はモデル体型の華奢な腕に手袋を付けると、恋にシャドーボクシングの真似をして見せた。
「見とってね、恋。」



