撮影の日。都内の駅。
恋と宗介と美風は、ロケバスで飲み物を買いに行った翔と律を待っていた。
「カーテン付きのバスは良いね」
カモフラにメガネを掛けた美風が言った。
容姿の目立つ美風は都内に来る時作戦を建て、最終的にメガネを掛ける事に落ち着いたらしい。
「カーテン閉めれば、人の目はないし」
「だるい。電車乗り継ぐのはめんどくさい」
宗介が言って鼻を鳴らした。
「駅から見ると、都内に来たんだなって気がする。」
恋が言った。
「だよ。ビルばっかだし、みんな早足だしね。」
「空気が悪そう。郊外に住んでる僕達は、余っ程恵まれてるんだな。」
宗介と美風が話していると、乗車口の方から声がして、翔と律が入って来た。
「なんや、恋、何話しとったんね?」
翔はいつも付けているサングラスをカチャリと外すと、お洒落なシャツの胸ポケットに掛けた。
「何も。都内だねって。」
「ワイは愛媛出身や。ついこん前まで愛媛に居たんや。今は家は横浜やんな。」
「へえ。」
「翔は方言丸出しですよね。良いんですか?それで」
「良いも悪いもなかってん。当たり前や。ワイには神奈川弁は超かわいかってん。それを恋が喋るやろ?。もう萌え!やで。」
「綾瀬、恋は僕の恋人だから。悪いけど。」
「悪いどころやないで。ワイの嫁候補、返しいや。好かん。迷惑やで。」
「新田さんは僕の嫁予定だけど。多分僕んちが一番リッチだから。」
「んな訳ないで。僕の家大会社や。社長、一番上やで。ワイの勝ちやってん。」
「リッチ……羨ましい。でも恋、恋は僕ですよね?」
「恋、怒るよ」
4人に口々に言われ、怯んだ恋は曖昧に笑った。
もうすぐ車が動き出す。



