フードコートは空いていたので、好きなテーブルに座れた。
恋達は壁一面ガラスの窓際に席を取った。
下に駅と線路と走っていく電車が見える。
やっぱり今日も空がぐっと近くに見えた。
「このチーズ最高!。とろ~り溶け出して、生ハムとの相性抜群!」
「生ハムが今日はちょっと多い気がします。新人バイトで間違ったのかな?。得しましたよ。」
「コーラはいつ飲んでも同じ味だな。炭酸抜ける前に飲みきろうっと。」
「美味しい!」
恋達が話していると、小さい女の子がお母さんの手を引っ張って、こっちにやって来た。
恋が見ていると、女の子は、律と美風の顔を見比べて、それから恋の方じっと見た。
女の子がテーブルに近づいてきてはにかみながら聞いた。
「『coco.』のモデルさんのRenさんですか?」
「あ、はい」
「ファンです。サイン貰って良いですか?」
恋は女の子の手帳にサインした。
「Ritsuさんですよね?」
「そうです。サイン書きますね。可愛いお嬢さん。」
律はお愛想を言って女の子にサインを書いた。
女の子はしばらくもじもじしていたが、美風に向かって、
「モデルさんですか?」
と聞いた。
「違いますよ」
美風は優しく応えた。
「すっごい、綺麗なのに」
「どうもありがとう」
「あ、お邪魔しました。大事にします」
女の子は丁寧に言うとぴょこんとお辞儀をしてお母さんの所に駆けていった。
美風の方をまだ見ている女の子に、美風はちょっと困った顔で軽く手を振ってあげた。
「だからモデルやれって言うんですよ。樋山さん」
律が2つ目のクレープを食べながら当てこすった。
「勿体ないです。どんなポーズ取っても様になる。そもそもクォーターって写り他より良いんですよ。」
しかし美風は、
「冗談。写真を撮られる位なら、僕は死ぬ」
と言って、渋い顔でアイスティーを一口飲んだのだった。



