恋達はまず洋服屋に行った。
モデルの恋と律は決まったブランドの洋服をチェックする様に頼まれている。
「服装は……うちはコーディネートの専任者が居るんだよね」
美風が言った。
「だからいつも普通よりはお洒落だ。部屋着とかもデザインされてる」
「女かよ」
宗介が鼻で笑うと、美風が怒り笑いした。
「金持ちなんだから仕方ないだろ。僕だって、洋服なんかに興味はないけど、興味がないから、決めてあるのを着てるんだ。母さんがそういうのを好きでしてるだけで、僕は頼んでない。」
「へえー樋山くんちコーディネーターが居るんだ。恋もやった事ある?パーソナルカラー?とかあるんでしょ?」
「それそれ。僕させられた。四季のカラー別が基本なんだって。」
「恋、恋にこの服どうですかね?」
律がシンプルなグレーのパーカーを恋に当てた。
「今日の小花柄スカートと合わせると可愛いと思うんですけど」
「さすがはモデル。律ちゃんセンス良い!」
「僕は生まれつきお洒落なんです。」
律が自慢した。
「事務所の人にもセンス良いって言われました。僕の言う事聞いて選んだら洋服は間違いないですよ。」
「新田さん、買ってあげようか」
美風がグレーのパーカーを取りながら言った。
「ワンサイズ大きくても可愛いですよ」
「フィアンセになら買って良いって言われてる。今日はこのパーカーを買って行こう。」
「買わなくて良い。樋山に買って貰った物なんて着るなよ、恋」
宗介が言った。
「洋服が欲しかったらうちの親と買いに行く事。そんな高いものでもないからうちで十分。」
「僕は今買ってあげるって言うのに」
「要らない。恋の服は僕んちで見る。」
「良いよ、買う。」
「経費で落ちますよ」
言い合いになっている宗介と美風に、律が口をはさんだ。
「僕達モデルなんで。洋服は買って貰えるんですよ。樋山さんも上野さんもお気の毒ですけど。僕買っときますね。後で請求するんですよ」
恋は律にパーカーを買って貰った。



