僕たちの余命は、一週間で一生分

あの日、俺は確かにその場で寿命を売った


実家から逃げる大金と引き換えに、自分の残りの時間を差し出したんだ


一千万円の残高は、まだ半分以上残っている。


だけど、俺の命の砂時計は、いよいよ最後の数粒を残すのみとなっているらしかった


「朔夜くん? どうしたの、顔色が真っ青だよ……?」


夕飯の後片付けをしていた陽菜が、俺の異変に気づいて顔を覗き込んできた


俺は慌てて、血のついたティッシュをポケットの奥深くに押し込み、無理やり笑顔を作った


「なんでもない。ちょっと、最近夜更かししすぎただけだ」


「もう、人のこと言えないじゃん! ちゃんと休んでよね?」


陽菜は心配そうに眉を下げながらも、俺の頭をぽんぽんと叩いた


彼女の手のひらは、驚くほど温かかった


夢に向かって命を燃やしている陽菜と、売ってしまった命の終わりを待つだけの俺


二人の体調は、お互いに限界を迎えつつ、すれ違うように悪化していく


神様がいるなら、お願いだ。せめて陽菜の絵が完成するまでは、俺の身体を持ってくれ――


自分の部屋に戻り、一人で激しい目眩に耐えながら、俺はただそれだけを必死に祈っていた。