僕たちの余命は、一週間で一生分

「すごいな……」


「でしょ! ここのひまわり畑、ずっと来てみたかったんだ!」


車を降りると、夏の風が陽菜の髪を優しく揺らした


陽菜はすぐにリュックから小さなスケッチブックを取り出し、熱心に鉛筆を走らせ始めた。


その横顔は、いつものお調子者の彼女とは違って、どこか神聖な雰囲気すら漂っている


「陽菜は、本当にひまわりが好きなんだな」


「うん。世界で一番好きな花! どんなに強い雨が降っても、次の日にはまた太陽を追いかけてシャキッと立つでしょ? 私も、そんな風に強くなりたくて」


陽菜はスケッチブックから目を離さないまま、ぽつりと言った


「美大の学費も、新しい油絵の具も、キャンバスも、全部信じられないくらいお金がかかるんだ。親には頼れないから、毎日バイトを掛け持ちして、睡眠時間を削って、必死に稼いで……。時々、心が折れそうになる」


「陽菜……」


「でもね、この花を見てると『負けてたまるか!』って思えるの。私の人生、全部絵に捧げてもいいって思えるくらい、夢を追いかけたいんだ」


そう言って俺を振り返った陽菜の笑顔は、いつも通り眩しかった。