僕たちの余命は、一週間で一生分

「陽菜って、実家から通ってるんじゃないんだな」


「うん、私の実家、ここから新幹線で3時間くらいかかる田舎なんだ。それに……」


お茶を淹れながら、陽菜の背中が少しだけ小さくなったように見えた


「美大に行くの、親に猛反対されちゃってさ。『絵なんかで食っていけるわけない』って。学費も生活費も、全部自分で出しなさいって言われちゃったんだ」


「……全部、自分で?」


俺は絶句した。


芸術大学の学費がどれだけ高いか、俺でも知っている


それを、まだ二十歳そこそこの女の子が、仕送りもなしで賄うなんて並大抵のことじゃない


「だからさ、私、どうしても諦めたくなくて。絶対に有名な画家になって、親を驚かせてやるんだー!って、毎日バイトと制作でバタバタなんだよね」


陽菜は振り返り、いつものひまわりみたいな満面の笑みでお茶を差し出してきた


だけど、俺はその笑顔の裏にある、彼女のすさまじい覚悟を感じて胸が苦しくなった。