『付き合ってない、たぶん』上

そして、空いた大きな手で、俺の頭を少し乱暴に、だけど愛おしそうにガシガシと撫でまわす。

「マジで何でもねぇよ。ちょっと新学期始まって、次の大会のことで頭使ってただけだ。……変な心配してねぇで、お前は次のシュート外さないことだけ考えてろ」

「……うん、分かった」

俺は無理やり笑顔を作って頷いた。

蓮の手のひらは、いつも通り大きくて、驚くほど温かい。

だけど、俺の頭を撫でてグラウンドへ戻っていく蓮の背中は、どこか寂しそうで、やっぱり少しだけ遠くに見えた。