『付き合ってない、たぶん』上

「……あ。また外した」

部活のシュート練習中、俺の放ったボールは、ゴールポストの大きく右へと外れていった。

「おい春! 今日どうしたんだよ、珍しく全然集中できてねぇじゃん」

ボールを拾いながら、拓海が不思議そうに声をかけてくる。

「え、あ、ごめん! ちょっと足元が狂っちゃって……」

俺は慌てて笑顔を作って誤魔化し、グラウンドの反対側へと目を向けた。

視線の先には、ディフェンス陣を相手にビブスを着て走っている蓮の姿がある。

いつも通り、圧倒的な動きでチームを引っ張る冷徹なエース。

みんなで同じクラスになって、毎日朝から放課後までずっと一緒にいられるはずなのに。

(……やっぱり、なんか変だ)