『付き合ってない、たぶん』上

俺がユニフォームに顔を埋めて悶絶していると、凛がいつもの涼しい顔で蓮の肩を叩いた。

「よかったね、蓮。これでやっと、授業中に春が可愛すぎて集中できない病気が治るんじゃない?」

「……凛、お前それどこで聞いた」

蓮が凍りつくような声を出すが、凛は「さぁ?」と楽しそうに笑うだけだった。

「よし! じゃあ両想い記念&大勘違い爆破記念に、今日のミニゲームで負けた方がふたりに部活終わりのジュース奢りな!」

拓海の掛け声で、部員たちが「よっしゃあ!」とグラウンドへ飛び出していく。

「……まったく、あいつら」

蓮が呆れたようにため息をつく。

でも、その表情には今までにない柔らかい余裕があった。

「行こう、春」

「うん!」