『付き合ってない、たぶん』上

「なぁ、蓮……」

「……なんだよ」

「眠くなってきちゃった……」

春が、とろんとした眠そうな目で、下から俺を見上げてくる。

完全に、無防備な猫の顔だった。

(……あ、マジで無理。可愛すぎて、心臓止まる)

蓮は、ぎゅっと拳を握りしめた。

本当は、このまま春を強く抱きしめて、俺だけのものだと閉じ込めてしまいたい。

「……寝るなら、先生に見つからないようにしろよ。ほら、こっち寄れ」

「ん……ありがと、蓮……」

蓮はぶっきらぼうに言いながら、自分の身体で、前の席からの死角を作ってやった。

春が嬉しそうに、蓮の肩にコテンと頭を乗せる。