『付き合ってない、たぶん』上

「おい、ラストのふたり! もう時間ねぇから早く上がれ!!」

ステージ袖の暗がりから、スタッフの陸の声が容赦なく飛んでくる。

お互いに「え? 拓海に……?」と大混乱に陥ったまま、俺と蓮は考える時間すら与えられないまま、

中庭を埋め尽くす全校生徒の前に押し出されてしまった。

夕暮れのオレンジ色の光が、ステージの上に立つ俺たちを容赦なく照らし出す。

『サッカー部のダブルエースじゃん!!』

『え、告白コーナーにふたりで出るの!?』

大歓声とざわめきが響き渡る中、俺たちの頭は真っ白だった。

ステージの最前列では、拓海が「やれやれー!」と言わんばかりにニヤニヤしながら、

スマホのカメラをこちらに向けている。