『付き合ってない、たぶん』上

拓海たちが離れていった後、蓮はさらに不機嫌そうに机を叩いて立ち上がった。

「……俺、ちょっと凛に呼ばれてるから行ってくる」

「あ、うん。いってらっしゃい……」

すれ違う瞬間、蓮のたくましい肩が俺の肩にほんの少しだけ擦れた。

その一瞬の体温だけで、胸の奥が締め付けられるように痛む。

だけど、今日でこの「幼馴染」の関係すら終わるかもしれない。

お互いに同じステージで、お互いに玉砕覚悟の告白をするなんて夢にも思っていない二人の、

最悪で最高にギクシャクした文化祭が、ついに始まった。