『付き合ってない、たぶん』上

合宿が明けた月曜日。

放課後のサッカー部の部室は、練習前のむせ返るような男子高校生の熱気で満ちていた。

俺は、いつものように蓮の隣のベンチに座り、お互いに一言も喋らないまま着替えを進めていた。

頭の中は、いまだに合宿の帰りのバスのことでいっぱいだ。

(……ダメだ、どうしても蓮の『好きな人』のことが頭から離れない。今日も蓮、なんか余計にぶっきらぼうだし……やっぱり拓海のこと考えてるのかな……)

隣にいる蓮の、着替えで露わになったたくましい背中を見るだけで、胸の奥がキュッと苦しくなる。