『付き合ってない、たぶん』上

「おい、学校着いたぞー。荷物忘れんなよ」

顧問の気怠い声が、静まり返ったバスの車内に響く。

夕暮れの学校のロータリー。

部員たちが、ぞろぞろとあくびをしながら立ち上がり、通路を進んでいく。

そんななか、一番後ろの席だけ、時間が止まったように静かだった。

「……おい、拓海、凛。ちょっとこっち来てみろ」

先に立ち上がった陸が、ニヤニヤしながら、手招きで二人を呼び寄せる。

「なんだよ、陸――って、うわ」

「何これ……最高なんだけど」

3人が声をひそめて見つめる先。