『付き合ってない、たぶん』上

蓮が東京へ旅立ってから、初めて迎えた学校の登校日。

「おはよ、春」

「……あ、陸、おはよ」いつも通り賑やかな2年A組の教室。

いつものメンバーが揃っている。

だけど、蓮の机だけが、ポッカリと不自然な空白を作っていた。

(……あ、そっか。もう、いないんだよね)

机の上の傷を見るだけで、いつもそこに座って、ぶっきらぼうな顔で俺の頭をガシガシと撫で回してくれていた蓮の、

あの大きな手のひらの体温が蘇ってくる。