『付き合ってない、たぶん』上

手元でスマートフォンをじっと見つめている蓮の、そのケースの裏側には、今でもあの『カップルプリ』が挟まれている。

ポケットの中の白い箱。

蓮から貰った、内側に『L to H』と刻印された銀色の指輪を、俺は右手のポケットの中でぎゅっと握りしめた。

手紙の言葉が、脳裏にリピートする。

『いつか、絶対に迎えに行く。だけど、それまでに……可愛い彼女でも作っとけ』

(……本当に、どこまでもバカな彼氏)

声は、かけない。

窓を叩いて引き留めたりもしない。