そんな感じにちょっと頭の中がサスペンスになって会社に着いたのだが、エレベーターの中は平和だった。
ちなみに、一鷹とは一応、別に出社した。
余計なトラブルの元だからだ。
実際、別に来てよかったとエレベーターに乗った瞬間思った。
リーダー網代木郁実たちがいたからだ。
網代木が前髪を指先で引っ張りながら言う。
「もうさー。
家の鏡で見たときはさ。
キラキラの私だったのに、なんで外のガラスでふと自分を見たときとか、写真を撮ったときの顔、違うんだろ」
「わかるそれ」
とリーダーといつも一緒にいる小野寺が言う。
あの矢端に乗り換えた人だ。
いや、矢端も奥にいるのだが。
「もともとそんなもんなんじゃないの」
と高石有沙が切って捨てる。
「鏡見るときは顔作ってるからよ。
ガラスをふと見たときは作ってないから、なんか違う気がするのよ。
鏡の中でだけ綺麗でも意味ないけどね」
高石さん、ひどい~っ、と網代木たちが言う。
……面白い、といずるは眺めながら思っていた。
私にはちょっと怖いボス、網代木さんだが、先輩の高石さんにはやっぱり弱いんだ……。
いや、先輩だからっていうより、高石さんだからかな。
網代木さんみたいに怒鳴ってはこないのに妙な圧があるから、
と網代木に、
「私、いつボスになったのっ?
あと、あんた全然、私のこと、ちょっと怖いとか思ってなさそうよっ」
と突っ込まれそうなことを思っていると、奥から矢端が口を出してきた。



