「なにそれ、田舎から出て来たの?」
朝、ロッカールームで有沙がそんなことを言ってくる。
「……昨日までいましたよね、私ここに」
ピンクのマイバスケットをどうやって違和感なく職場に持ってこようかと迷って、大判の風呂敷で包んでみたのだ。
「普通に持ってくればいいのに。
電車に乗って。
その素敵なバッグと格好いいスーツに似合わないけど」
と有沙が言い、晴菜が、
「いっそ、その素敵なバッグを私にくれて、そのバスケットをバッグ代わりにしたらいいんじゃない?」
と余計な口を挟んでくる。
というか、この買ったばかりの鞄、狙われているっ!
いずるは赤い横長のバッグをぎゅっと抱きしめた。



