「マイバスケット、便利でいいな」
隣のレジで他の人がマイバスケットに商品を入れてもらうのを見ながら一鷹が言った。
「そうですね。
持ってこられるときは私も持ってくるんですけど。
今日は会社の帰りなので」
会社にマイバスケットを持っていくのはちょっと。
車じゃないしな、と思っていると、
「マイバスケット、買ってやろうか」
と一鷹が言い出す。
「私、一個持ってますよ」
「俺の車に乗せておいたら、いつでもお前が使えるだろ?
すみません。
そこのマイバスケットもください」
「はい」
いやっ。
買わないでくださいっ。
あなたと買い物に来ないといけなくなるではないですかっ。
そんなこっちのワタワタには興味のない有能なレジの人は、さっとバスケットもレジを通してしまった。
「お支払い一番でお願いします」
とレジの人が言うと、一鷹は今度はすぐさま一番の精算機で払おうとする。
「あっ、払わないでくださいっ。
私が払いますっ。
家でご馳走しないといけなくなるじゃないですか~っ」
といずるも慌てて電子マネーのカードを出したが、払われた。
「私のカードッ」
吹っ飛んでいったカードをいずるは慌てて追いかける。



