通りすがりの俺様

  

「どうしたの?
 渋い顔だね」

 昼。
 カフェテリア方式の社食の列にいずるは並んでいた。

 腕組みして唸っていると矢端が話しかけてくる。

「……今日のメニューは迷いますね。
 ふわふわのハンバーグか、ビーフシチューか、それとも、見た目はいいけど、冷えそうなデリボウルサラダか」

「水内のファンにやられてるからかと思った」
と苦笑したあとで、

「ハンバーグ美味しそうだけど、大豆だからなあ」
と矢端は呟く。

「えっ?
 これ、大豆なんですかっ?

 ほんとだっ。
 そう書いてあるっ。

 じゃあ、ビーフシチューでっ」

「意外な肉食だね」
と矢端が笑い、

「よく見なよ」
と晴菜が苦笑いしていた。