通りすがりの俺様

 
 

 次の朝、エレベーターで出会った満にいずるは謝られた。

「ごめん。
 実は、一鷹に脅されて、君の連絡先教えちゃったんだけど」

「ああいえ、大丈夫ですよ。
 どうせ、何処からか知れると思いますし」

「あいつ、なにか言ってきた?」

「……昨日、待ち合わせて食事に行きましたね」

 すごいっ、と満は何故か驚く。

「あいつが自分から女性に声をかけて食事に行くだなんてっ。
 なんか色気もなく、その辺の定食屋とかに連れていきそうだったけど、どうだったっ?」

 友人の意外な一面に満は興味津々のようだった。

「焼肉屋に行きましたね」

「……いきなり?
 初デートで?」

「いやあ、別にデートじゃないですよ。
 一人焼肉に二人で行ったんです」

 ……何故、という顔を満はする。

 いや、私が水内さんと一緒にいるところを敵(?)や社内の敵(?)に見られたくないと言ったからですよ、と思いながら、いずるは言う。