通りすがりの俺様

 会社に入って、こんなに女の先輩たちと接近したことないな。

 世話になっている先輩たちより、親しくなったのでは、と錯覚してしまいそうなくらい近い。

 そういずるは思っていた。

 一鷹は仕事が終わるのが、ちょっと遅くなるみたいだったので。
 いずるは駅前の図書館などで時間を潰したあと、交番前から、ライトアップされた噴水を眺めていた。

 目立つイケメンが足早に来るな、と思ったら、一鷹だった。

 そして、開口一番、いずるは、言ったのだ。

「あなたは王子様じゃないです。
 あなたのせいで、ひどい目に遭いました……」
と。