ホテルの怖い話短編集

いつものようにベッドの下まで掃除機をかけていると、足でなにかを踏みつけた。
「痛っ」
と呟いて見てみると、黒いヘアピンだ。
それを指先で摘まみ上げて見つめる。
この部屋に泊まっていた人は確か男の人だった気がする。
もちろん、男の人でもヘアピンくらい使うだろうけれど、自分の記憶が正しければスキンヘッドだったのだけれど。
もしかしたら女性を連れ込んだのかもしれない。
ビジネスホテルをラブホテル代わりにする人は意外と多いので、気にすることなくヘアピンをゴミ袋に入れた。
けれど掃除機を続けているとまた足でなにかを踏みつけてしまった。
「また、ヘアピン?」
黒光りするヘアピンに首を傾げる。