ホテルの怖い話短編集

一瞬前の宿泊客の落とし物だとうかと思ったが、シーツはちゃんと変えられているはずだ。
違和感に眉を寄せたそのときだった。
人の視線を感じて身を固くした。
じっとりと、絡みついてくるような視線をすぐ近くから感じる。
全身を撫でまわされているような不快感に鳥肌が立つ。
電気をつけて部屋の中を確認するが、もちろん私しかいない。
カーテンを開けて窓の外もくまなく見てみるが、時折人が通るくらいでこちらを見ている人はいない。
まさかと思ってベッドの下も覗き込むが、そこにも誰もいなかった。
ホッと胸を撫でおろして、苦笑を浮かべる。