ホテルの怖い話短編集

ねっとりとした液体にまみれた長い黒髪を見た瞬間、尻もちをついてしまった。
「大丈夫ですか?」
悲鳴をききつけた仲間がすぐに駆けつけてくれる。
が、私はその場から動くことができなかった。
ピチャンッ。
蛇口はちゃんと閉まっているのに、水滴が落ちてくる音がした。
ピチャンッピチャンッ。
その音はだんだん近づいてきた、トンッと、私の右腕に落ちてきた。
生暖かい真っ赤な液体に戦慄しながら視線を上へと向ける。
すると天井のにある換気扇の奥に、こちらを見つめているふたつの目があった……。

☆☆☆