ホテルの怖い話短編集

床をよく見てみると机の下にも廊下へと続くドアの前にも落ちている。
ここまで落ちていればさすがに前に作業した人が気が付いて拾うはずだけれど……。
疑問に感じながらヘアピンを追いかけるように拾っていく。
そのとき、すでに清掃済みの浴室からピチャンッと水滴の音がした。
「ちょっと。ちゃんと蛇口しめてくれなきゃダメじゃない」
水回りの清掃は一番神経を使う作業だ。
少しでも水滴が残っていれば水アカとなって残ってしまうし、臭いの元にもなる。
最近入ったばかりの新人に任せたのがよくなかったか。
でも、さっきまではこんなことなかったのに。
そう思いながら浴室のドアを開いて中を確認する。
「あれ?」