恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



「これって、特別手当とか出ますか?」

「......」

「だって、先生の惚れ薬作製のためのデートですよ?休日出勤といっても過言ではないはずです!」


呆れたように睨んでくるが、イザベラにとって手当が出るか出ないかでデートへ挑むモチベーションがかなり違ってくる。

引くつもりのないイザベラは、ユリウスに迫る。

視線をイザベラから逸らし、少し考える素振りを見せたユリウスは、小さくため息を吐いた。


「...検討しよう」


よしっ!

自身の要求が通りそうになり、イザベラは思わず口元が緩みそうなのを堪える。


「ただし、目的は遂行しろ。ただの感想など寄越したりなんかするな」

「わかってますって!特別手当を頂ける以上、ちゃんと仕事はします」


これで俄然ジョシュアとのデートにやる気が出てきたイザベラは軽快な足取りで自席に戻った。

そんなイザベラをユリウスは面白くなさそうな面持ちで見ていることに気付きはしなかった。