恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



どこか既視感を感じつつ、イザベラはユリウスに向き合い、淡々と報告する。


「デートすることになりました。ジョシュア君と」

「......積極的に関われと言ったが、随分と親しくなるのが早いんだな」

「いえ、別に親しくなったわけでは...」


むしろ今日やっと会えて、すぐデートの約束を取り付けられたので、仲良くなる暇などなかった。

イザベラの反応に違和感を感じたのか、ユリウスが首を傾げる。


「......まぁ、いい。それで、恋がどんなものかわかれば、問題ない。好きにしろ」

「はぁ...、わかりました」


なんか、ユリウスの声が若干硬い気がするが、気のせいだろうか。

たぶん作業を中断させられたから、少し不機嫌なんだなとイザベラは結論づけた。


「ところで、先生。休みの日にデートするんですよ」

「...それで?」


いったいそれがどうしたと不機嫌そうにユリウスが瞳で訴えてくる。