恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



恋がわからないイザベラは、一瞬だけ悲しげに目を伏せたジョシュアに気付かなかった。


「......そうですね、じゃあ今度の休み、僕とデートしましょう」

「え、あ、デート!?なんで!?」


笑顔でとんでもない提案をするジョシュアに、イザベラは戸惑う。


「恋について、知りたいんですよね。だったら、実際に恋人っぽいことをすればいいんですよ」

「恋人って...、待って!わたしが知りたいのは恋人同士の恋愛ではなくて、人が恋に落ちる道理で...」

「それじゃあ、考えてみてください」


柔らかだったジョシュアの声が少しだけ低くなる。


「僕が、いつどこで、どうやってイザベラさんのことを好きになったのか、考えてください」

「考えろって...」


そんなことを言われても判断材料が何もない状態でどう考えろと言うのだ。

あまりにも無茶苦茶だと声を上げようとする。

しかし、次に続けられた言葉でイザベラは口を閉じた。