恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで




惚れ薬の作製のため、自身に告白してきてくれたジョシュアと関わり合いを持てとユリウスに命令されてから一週間が経った。


「どこにいるのよ、ジョシュア君...」


魔術省と王宮を繋ぐ渡り廊下を歩きながら、イザベラは大きなため息を吐いた。

なるべく研究室から外出する時はジョシュアを探すようにしているのだが、あれからまったく見かけない。

もしかしたらあの告白は夢だったんじゃないかと疑い始めている。

何故ならあんな好青年が自分のことを好いてくれることにイザベラは未だに信じられないでいるからである。

最低限の身嗜みは整えてはいるが、毎日忙殺しているため女性らしく着飾ったことなどないし、流行りにだって疎い。

見た目で人を好きになるタイプではなさそうなんだけど、そうなると一度も会話したことのない相手に好意を向けてくる意味がわからない。

このままでは恋愛研究が進まず、来月の給料ももらえない恐れが出てくる。

そうなると、家賃が払えない!!


「ジョシュア君...」

「どうしました?」

「うわぁぁぁぁ!?」


突然、横からジョシュアの顔が現れ、イザベラはその場で高く飛び跳ねた。