恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



すぐに水の入ったコップを渡すと、舌で舐めるように水を飲む姿にユリウスの猫舌も相まって、イザベラは猫を連想させていた。

さっきは犬で、こっちは猫か...。


「それで、先生、もう一度言うのですか...」

「告白されたのだろ」


火傷騒ぎで聞き逃したかもしれないと、もう一度告白のことを言おうとすると、ユリウスがコップの柄を掴みながら、つまらなそうな顔を向けてくる。


「そう、なんですが...」

「それをわたしに言って、どうする」


確かに、それはそうなんだが、思っている以上に興味を示してこなく、イザベラとしては少し肩透かしな気分だ。

恋の研究してるんだったら、もう少し食いついてくれてもいいじゃないか!!

これだとまるで自分が告白されたことを自慢してるみたいになってしまい、急に恥ずかしくなったイザベラは黙って自分の席に戻った。

もう色々、考えるのはやめて仕事しようと書類に手を伸ばすと、目の前に人影が落ちる。

顔を上げると、仏頂面のユリウスと視線がぶつかった。


「...なんです?」

「...いや、告白というのは何時、されたんだ?」

「はぁ!?」