恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで




ジョシュアからの告白を受けた後、イザベラは何も手がつかず、研究室の自分の席で呆けていた。

暫くすると、ソファで横なっていたユリウスが意識を取り戻したのか、かけている毛布がもぞもぞと動き出した。

ゆっくりと体を起こしたユリウスはまだ寝ぼけているのか、何かを探すように辺りをきょろきょろと見渡している。

イザベラの姿を確認すると、ぼんやりした眼差しで見つめ、そしてまたソファへと体を倒した。


「いや、さすがに起きてください!!」


行方不明になってから、既に2時間以上経過しており、この間業務は何一つ進められていない。

これ以上は看過できないイザベラはユリウスの体を起こし、眠気覚ましのためにコーヒーを淹れる準備をする。

魔術陣付きのコーヒーポットに水を注ぎながら、先ほどのジョシュアの告白を思い出す。

告白のことって、先生に言ったほうがいいのかな...?

今現在惚れ薬の作製が行き詰まっている。

王太子から依頼が来てから既に一ヶ月以上経ち、本当にユリウスの研究費が凍結されていたのか、先月分の給料が出てこなかった。