恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



「本当に、ありがとうございました」

近衛騎士見習いのジョシュアに向かって、イザベラは深々と頭を下げた。

無事にユリウスを起こすことなく研究室まで運ぶことができ、今は来客用のソファで横になっている。

研究室までの道のりで、彼の名前はジョシュアで、近衛騎士ではなく見習いで、見習いになってからもまだ日が浅いらしい。

イザベラにとって彼の第一印象が犬であったが、会話をしてみるととても穏やかで気が利く好青年だった。

普段から人の気持ちがわからない化け物と接しているイザベラにとってジョシュアとの会話はとても新鮮で、不思議と気持ちが軽くなった。


「そんな、大袈裟です。こちらからお声がけしたので、気にしないでください」


人懐っこい笑顔を向けられ、イザベラには眩しすぎて思わず目を逸らしてしまった。

本当に、いい人だ...。


「それじゃあ」

「あ、あの...!!」


お礼もしたので、研究室に戻ろうとするイザベラをジョシュアが呼び止めた。