恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



「無事か!?」


壁の向こう側から、グロリアが拳を構えて、中の様子を窺ってきた。

その後ろには軍服を着た人々が驚きと安堵の表情を浮かべている。


「グ...っ」


イザベラは堪らず、ユリウスから離れ、グロリアに駆け寄り、抱きついた。


「グロリア様!!!!!」

「イザベラ!?大丈夫だったか!?」

「ふえっ、怖かったです...!!死んだかと思いましたーーー!!!」


恐怖と安堵が入り混じり、情緒がぐちゃぐちゃになっていたイザベラはグロリアの胸で、声を上げて泣いた。

そんなイザベラをグロリアは優しく抱き寄せ、頭を撫でる。


「魔力探知器が異常な数値を表示していたから駆けつけたのだが.....。そうか、怖かったんだな...。助けが遅れてしまって、申し訳ない」


気遣うような優しい言葉にイザベラの瞳からますます涙が溢れ出てくる。


「おい」


しかし、イザベラとは逆に何故か怒っているユリウスが不機嫌な声を上げる。