恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



「それで、どうだ?」

「はい?」

「恋は芽生えたのか、と聞いている」


この状況で淡々とそんなことを聞いてくる神経を疑う。

イザベラは両手で顔を覆う。


「あー、なんか微かに体の奥から沸々と沸き上がっていますね」

「本当か!?それはいったいどんな感覚なんだ」

「そうですね...。なんか、先生の顔面を一発、ぶん殴ってやりたい気分ですね」


手から顔を上げ、ユリウスを睨むと、彼もまたイザベラに向け、不満そうに顔を顰める。


「これが、恋なんですかね?」

「ふざけるな、そんなもの芽生えさせるな。とっとと捨てろ」


捨てろと言われても、一度芽生えた殺意が中々消えることもなく、イザベラは内心で激しく苛立つ。