恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



いつの間にか作業を終え、イザベラが食べ終わるのを待っていたのかユリウスがタイミングよく声をかけてきた。


「はい、美味しかったです。ありがとうございます、先生!」


上機嫌に感謝を述べると、ユリウスが珍しく目を細める。


「問題ない。これから行う魔術の実験料だと思えば安いものだ」

「......えっ?」


不敵に笑ったと思えば、ユリウスは手元にある紙を裏返し、そこにどこからともなく取り出してきた魔石を置いた。

すると、辺り一面が青白く光り、イザベラは眩しさで目を逸らし、瞼を閉じる。

光は一瞬にして消えたので、恐る恐る目を開けるとユリウスと目が合った。


「あの、先生いったい何を...」


言い切る前に、ユリウスが視線を上に向ける。

まるで上を見てみろという仕草につられ、イザベラは視線を上げる。


「...何、これ」