恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



こんなこと、ユリウスに言っても仕方ないのに口が勝手に動く。


「......少し、待っていろ」


すると、ユリウスがケーキ屋へと足を向ける。

ユリウスでも甘いものを欲するんだなとその様子をぼーっと眺めていると、ケーキの入った箱を手に、戻ってくる。

そして、その箱をイザベラの前へと差し出してきた。

何が起こっているのかわからなかったイザベラは一瞬、動きが遅れるも、それを受け取る。


「...荷物持ちですか?」

「何故、そうなる。欲してたのは、お前だろう」

「............えっ!?」


驚きすぎて、反応が遅れる。

あのユリウスが自分のために何かを買ってくれたことが信じられず、ケーキの箱とユリウスを交互に見る。

どこか体調でも悪いのかと、イザベラは手を伸ばし、ユリウスの額に触れる。