恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで




「すっごい、量...。さすがアカデミーを首席で卒業しただけあるわね...」


アカデミー時代からの同僚が目の前に積まれているイザベラ宛の大量の招聘状に驚きの声を上げる。


「医療魔術、魔石解析に...古代魔術の研究室からも...すごい、魔術省にある研究室のほとんどから お声がかかってるじゃない!!」

「まぁ、そうね...」


興奮する同僚の反応をよそに、イザベラは魔術省に所属する研究室のリストが書かれている書類に視線を落とす。


「あ、でも理論魔術・魔術構築のユリウス・フローベル先生からは来てないかも...」


唯一招聘状が来なかったので見慣れない名前を口にすると、さっきまで饒舌だった同僚の口がピタリと止まった。


「あー...その人から...、は来ないほうがいいんじゃない?」


言葉を濁し、あからさまに態度が変わったので不思議に思い、首を傾げる。


「どうして?」

「アカデミーでも有名だったじゃない!稀に見る天才だけど、とんでもない変人だったって!!」


アカデミー在学中、イザベラは学費免除のためどうしても首席で卒業したかったため、学業に集中していた。

そのため、他の生徒たちとあまり関わりがなかったので、そういう噂には疎かった。