恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



「先生、起きましたか?」


真上から見下ろすように顔を覗き込むと、未だに呆けている様子のユリウスの手がイザベラの頬へと伸びる。

あと数センチで触れるというところで、どこからともなくきゅるると盛大に腹の虫が鳴る音が聞こえてくる。

ユリウスの動きが止まる。


「......先生、最後にご飯食べたの、いつですか?」


イザベラの質問に、ユリウスは考え込むように首を傾げる。

まさか、覚えていないだと...!?

今までも研究に没頭しすぎて食事を忘れることはあったが、その度にイザベラが気を配って何かを食べさせていた。

確か昨日、一昨日は昼頃に用事があって研究室にいなかったため、ユリウスが食事を摂っているとこを見ていない。

もしそっちでも食事していないとなると、丸2日間何も食べていないことになる。

もぉーーー、どこまで手がかかるんだ、この人は!!