恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



王宮敷地内を駆け回りながら、大声で人探しをするイザベラははたから見ると異様に見える。

しかし、すでにこれが日常茶飯時なので誰も特に気に留めることなく人々は歩みを進める。


「先生、起きてたら返事してくださーい!!」


中庭、食堂、医療病棟に監獄、ありとあらゆる場所を探し回っているが見つからない。

まさか、敷地外に出たってことはないよね...?

肩で息をしながら、門の方に目を向ける。

どうしたものかと頭を悩ませていると、門を通り抜けようとする荷台車が視界に入ってきた。

荷台に積まれているのは食肉用の家畜だろうか。甲高い鳴き声が辺りに響いている。

......なんか、嫌な予感がする。

そんなことないと思いながらも、嫌な感じが払拭しきれないイザベラは荷台車に駆け寄るのであった。