恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



そのまま、無邪気に花冠で喜ぶヨハンナに視線を戻そうとすると、ユリウスに肩を掴まれる。


「...なんですか?」

「...お前の、それにも魔術をかけてやる」


ユリウスの視線がイザベラの首にかかっているボロボロの花の輪っかに落ちる。

しかし、イザベラは首を横に振る。


「えっ、いらないですけど」

「...…は?」


目が点になり、動きが止まったユリウスに対し、イザベラは続ける。


「だって、こんなよくわかんないもの、長い間、形を残されても花が可哀想じゃないですか。あとで、しっかり自然界に返して、供養させていただきます」


見るも無残な花に視線を落としながら、イザベラは悪気なく、純粋な気持ちを言葉にした。

しかし、何かが気に食わなかったのが、ユリウスの表情がみるみると険しくなっていく。


「お前ーーーー!!!」

「えっ、えっ!?なんです、あいだだだ」