恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



新しい魔術陣を構築した場合、それが正常に発動できるか、検証を何度もする必要がある。

しかも人体に関わることなので、臨床検査もしなければ、普通の魔術師ならちゃんと結果が出るまで使わないはずだ。

しかし、イザベラが知る限り、ユリウスがそんな検証をしている様子は一切見られなかった。

つまりぶっつけ本番で新しい魔術を自分の体に施したことになる。


「理論上実現可能だったし、成功率は5割は超えていた」

「ひぇっ...、たったの5割で...!?」


思わず悲鳴が漏れる。

成功率5割の魔術を躊躇わず発動させるなんて、想像するだけでも恐ろしい。

しかも魔力を体内に入れただけではなく、魔術陣を頭の中で描くだけで魔術を使えるようにするなんて...もう、現代魔術の限界を凌駕しすぎている。


「...先生って、本当に天才なんですね...」

「当たり前だ。今まで何だと思ってたんだ」


魔術の才能が人より優れている赤ちゃんだと思っていました。

なんて口が裂けても言えないので、笑顔で誤魔化す。