恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



イザベラは自身の花冠をヨハンナの頭に被せる。

そして、ユリウスの手から花の輪っかを抜き取り、自分の首にかける。


「...何を、している」

「なんか、可哀想なので、つい...」


自分でも不可解な行動をしている自覚はあるが、体が勝手に動いてしまったのだから仕方がない。

ユリウスは目を瞬かせ、イザベラの首にかかった花の輪を凝視している。

何故か少しばかり居心地が悪くなり、イザベラはユリウスから視線を逸らす。


「お姉ちゃん、これもらっていいの?」


興奮気味のヨハンナは自身の頭にのせられた花冠に手を添える。


「うん、もちろん。...ただ、すぐ枯れちゃうんだけどね...」


すると、指を鳴らす音が聞こえたと同時にヨハンナの頭の上の花冠が光を帯びる。