恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



ですよねー。

さすがにユリウスでも、これだけで人に好意を向けてくれるとは思っていない。

ヨハンナの話を聞いて思ったのが、日々の積み重ねを経て、初めて人を好きになるきっかけが生み出されるらしい。

もうちょっと明確に恋っていうのがわかるかもしれないと思っていたが、そう簡単にはいかないみたいだ。

肩を落として落胆していると、ローブを引っ張られる。

後ろを振り向くと、仏頂面のユリウスと目が合った。


「いつまで、ここにいるつもりだ」

「...先生は、先ほどのヨハンナちゃんのお話を聞いて、惚れ薬作れそうですか?」

「無理だな。あまりに稚拙すぎて参考にならん」

「じゃあ、帰っても特にやることがないので、もう少しだけここにいます」


ユリウスから顔を背け、野花を摘むのを再開しようとすると、今度は後ろで縛ってある髪の毛を引っ張られる。

引っ張られた衝撃で、体が後ろに倒れ込む。

真上にユリウスの顔がある。