恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



そんなイザベラにジョシュアの笑顔はますます輝きを増していったのである。

しかし、それと同時に隣にいるユリウスからとんでもない圧が出ていることにイザベラは気が付いた。

気付かれぬように横目で確認すると、鋭い眼差しで見下ろされている。

なにか気に障ることがあったのだろうかと考えてみるも、思い当たるようなことが何もない。

真正面からの輝きと、隣の不穏さに板挟みになり、なんとも居心地の悪い気分になったイザベラなのであった。





その後、ジョシュアと別れてからもユリウスの機嫌が直ることはなかった。

サミュエルの依頼を無理やりやらされたことを、そんなに根に持っているのだろうか。

しかし、ユリウスは一度終わったものに執着する質ではないので、サミュエルの研究室から出た時点で気にも留めてはいないだろう。

そうなると本当に原因がわからない。

イザベラは書類の山の隙間からユリウスを観察する。

不機嫌だがイザベラが淹れたコーヒーは飲んでるし、無愛想だが大人しく席に座ってるので、今のところ実害はない。

少しだけ頭を悩ませるも、時間が経てばきっといつもの調子に戻るだろうとイザベラは気にすることをやめた。