恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



ジョシュアと会うのはあの日のデート以来である。


「久しぶりだね、ジョシュア君」

「はい!」


少し話す程度なら、すぐにユリウスにも追いつけるだろうと、ジョシュアに向き直る。

すると、ジョシュアの視線がイザベラにではなく、その隣に向けられる。

何かあるのかと隣を見ると、いつの間にか先に行っていたはずのユリウスがそこにいて、イザベラは思わず肩を揺らす。

ユリウスに仏頂面で睨まれているからなのか、ジョシュアは困惑気味に琥珀色の瞳を瞬かせる。

そういえばこの二人の初対面時、ユリウスは気絶して意識を失っていたので、ある意味、今が初の顔合わせになる。


「先生、この方がジョシュア君です。騎士見習いで、研究のお手伝いをしていただいています」


一応無関係ではないので、イザベラはお互いをお互いに紹介することにした。


「ジョシュア君、こちらがユリウス・フローベル先生です。わたしの上司です」


困惑顔だったジョシュアだったが、イザベラから紹介を受けると、すぐに表情を戻す。


「はじめまして、フローベル先生。ジョシュアと申します」


イザベラに向けるものより少し抑えめの笑顔をユリウスに向け、握手を求めるように右手を差し出す。

そんな礼儀正しいジョシュアに対し、ユリウスは仏頂面のまま彼を睨んでいた。

握手に応じる気はなさそうだ。